顧客折衝エンジニア

SSDの世界市場は年々、加速的な伸びを見せている。そんな活況が続くマーケットのフロントに立ち、数多くの有力IT企業のお客様とやりとりしながら、高まるいっぽうのニーズに応えていく「顧客対応エンジニアの醍醐味」を、実力派の二人に語ってもらった。

参加者プロフィール

SSD応用技術部 T.

2014年7月キャリア入社、電気電子工学専攻。前職では19年ほど、数社に勤務してASICの応用技術に携わってきた。FAE(フィールドアプリケーションエンジニア)として、顧客企業にSSD製品を展開していくのが、SSD応用技術部のミッション。1)将来的な製品戦略の企画、2)新機種の製品立ち上げ、3)顧客への拡販と認定取得、3つのチームに分かれて活動しており、自身はプロモーション業務を担当。

SSD品質保証部 C.

2008年、東芝に新卒入社、電気化学専攻。HDD事業部を経て、2015年半ばから現職。SSD品質保証部の役割は、1)SSDの機能・特性・信頼性の認定評価、2)量産試験工程の立ち上げ・改善、3)顧客対応が三本の柱。クライアント向けのcSSD、エンタープライズ向けのeSSD、データセンター向けのdSSD、3つの製品セグメントに分かれて活動しており、自身はエンタープライズ向けSSDの顧客対応を手掛けている。

Q1 具体的にどのような業務を担当しているのですか?

T. 私はアジア担当としてアジア圏のIT企業をターゲットに、エンタープライズ向けSSDの拡販と認定取得を推進するチームのリーダーを務めています。特にフォーカスしているのは、急拡大が確実な中国市場です。サーバー向けのSSDが主流で、お客様はグローバルブランドのコンピュータメーカー、前年比10倍成長のスマホ向けアプリケーションサービスプロバイダーなどなど。爆発的に伸びている企業が多く、エンタープライズ分野は現状、アメリカが最大のマーケットですが、いずれ中国が追い抜くという予測もあります。そのため、需要は非常に強く、スピードも早くて、新製品を出すと、すぐに反応があるほど注目を浴びるので、個々のお客様の要望をいかにスピーディに汲み取り、フィットする製品を提案できるかが勝負。認定取得に要件があるなど、マーケット特性ならではの難しさはあるものの、いい製品を提案できるとその分受注スピードも速いのも特徴。自分たちが開発・生産した製品がマーケットに展開され、会社の利益に貢献するのを肌で感じることができます。

C. 私もエンタープライズ向けSSDを担当しています。日本以外のアジア、アメリカ、ヨーロッパのお客様を受け持っており、認定を得て量産出荷に移行した後の品質サポートがメインです。大量に供給していくなかでは、どうしても予期しない不具合が発生することもあります。前提として問題が起こらないことが必要不可欠ですが、万一不具合が発生してもスピーディに解決できるよう、現地でお客様と折衝している販社のスタッフ、また品質保証部の評価・検証エンジニアや応用技術のエンジニアと連携して取り組みます。お客様は多くがITのグローバルプレイヤーですから、信頼性など品質に対する要求が非常に高く、SSDの生産体制など精度の高い情報提供を求められます。言い換えれば、私たちが高品質のSSDづくりを保証できれば、信頼性が認められて次の売上げにつながります。お客様によっては、定期的にクオリティレポートを提出して、より良い製品づくりを一緒に進めていくケースもあるので、技術を世の中に提供にするにあたって品質の大事さ、責任感を特に強く意識しています。

Q2 競合に対する優位性について、市場の最前線で感じている点を教えてください。

C. 当社の品質信頼性は、業界のなかでも高い水準だと思います。また、定期的に競合比較のフィードバックがあるお客様からは当社製品に高い評価をいただけております。製品自体の品質が高いだけでなく、トラブル対応のレスポンスも早いと自負しています。お困りになっているのはお客様ですから、私たちのレスポンス内容・対応も顧客満足度に直結します。お客様がフラストレーションを感じることのないよう、品質保証部はもちろん、応用技術部や生産技術部や開発部門が一丸となってスムーズかつスピーディな対応に努めています。

T. フラッシュメモリを自社で開発・生産しているため、SSDの中核部品のフラッシュメモリを知り尽くしているのがいちばんの強みです。SSDのコントローラも自社で開発しているので、ハード/ソフト/システムのすべてで、私たちは中身を深く理解しています。自社でフラッシュメモリとSSDの両方をつくっているので、何か問題があってもきちんと調査できるし、お客様もそこに期待されていると思います。応用技術の立場では、品質その他の部門にフィードバックしやすいので、それだけ強力な連携体制を組んで、より良いSSDの生産・供給を図りながら業績を伸ばせます。部門・職務に関係なく、エンジニアには恵まれた環境だと思います。

Q3 SSD製品に関わる顧客対応エンジニアの魅力を具体的に聞かせてください。

T. 当社は、メモリやSSDのコントーラからファームウェアまで、製品の鍵を握る主要なコンポーネントを自社で開発・設計・生産している数少ないメーカーの一社です。他社にはない総合力を有するぶん、お客様の認定取得へ常に前向きにトライアルできるし、先んじてマーケットを拓けます。FAEとして市場や顧客の動向を捉えつつ、開発・設計・生産・製品など全般にわたる高度な情報を社内からキャッチアップ。コンサルタント的な広い視野のもと、お客様にベストソリューションを提案できます。私は中国担当として、現地での当社のプレゼンスを、自分たちが先頭に立って高めていく挑戦の日々に、確かな手ごたえを感じています。

C. 品質の観点では、お客様から通知表をいただけるのが大きなモチベーションですね。製品のパフォーマンスや信頼性、問題解決のサポート力など、細かく項目が設定されており、点数という目に見える形でお客様の評価を得られます。品質保証部の顧客対応エンジニアはもちろん、開発や応用技術、生産部門も含め一人ひとりの頑張りの総和ですから、得点が高いほど励みになります。量産品質の顧客対応というと受け身に見えるかもしれませんが、量産がスタートした後は唯一の窓口として、当社のSSDの特性をしっかり伝えていくミッションを担います。受け身で対応するのではなく、こちらから積極的に品質をPRしていく取り組みを通じて、お客様が望まれている以上のアフターケアを提供することが、次の成果を生むと確信しています。

Q4 最後に、転職を検討中の方へのメッセージをお願いします。

T. ITサービス企業や総合電機メーカー、電子機器のメーカーなどあらゆる業種からキャリア入社したメンバーが数多く揃っています。出身や新卒・中途入社か否かはまったく関係ありませんし、メーカー側やユーザー側のいろいろな知見・経験を出し合って活動するので触発されます。また、私は転職して日常的にグローバルなことにも驚きました。海外とのコミュニケーションが非常に多く、月1~2回の海外出張も普通なので、世界を飛び回って仕事をしたいという人に向いていると思います。

C. 品質保証部もキャリア入社が多いですね。自動車メーカーで工作機械の生産技術を手掛けていたメンバーなど、半導体やITに限らず、さまざまな業界・業種の出身者が集まっています。年齢や役職、立場を問わず、技術的な議論を熱く交わせる風土も魅力です。SSDはとても高度なシステム製品なので、自分の手で扱ってみると新鮮な発見があって興味が尽きません。ユーザー側ももちろん楽しいですが、個人としては「つくる」から携われるメーカー側でのキャリアはとても楽しいと思います。

※インタビュー内容は取材時のものです。(2019年取材)

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